レシピ本によく出てくる「面取り」って、角を削るだけなのに、なかなか面倒ですよね。
「これって絶対にやらなきゃダメ?」と疑問に思う方も多いはず。
面取りはすべての野菜に必要なわけではなく、思い切って省略していい場面もたくさんあります!
この記事では、面取りをする理由や、必要な野菜・不要な野菜の見分け方をわかりやすく解説します。
毎日のごはん作りを少しでもラクにするヒントにしてくださいね。
野菜の「面取り」がなぜ必要なのかを解説

そもそも、野菜の面取りはなぜ必要なのかを知りましょう。
角同士がぶつかるのを防いで煮崩れをストップ
料理のレシピ本や料理番組を見ていると、大根やにんじんなどを輪切りにした後、「ここで面取りをします」というステップが登場することがあります。
面取りとは、野菜の切り口にある「角(かど)」の部分を、包丁などで少しだけ切り落として丸みを持たせる作業のことです。
なぜこんな細かな作業をするのかというと、最大の目的は「煮崩れを防ぐ」というとても重要な役割があります。
お鍋の中で具材をグツグツと煮込んでいる時、野菜たちは煮汁の中で踊るように動いて、お互いにぶつかり合っています。
もし、野菜に鋭い角が残ったままだとどうなるでしょうか。
満員電車の中で肩と肩がぶつかり合うように、お鍋の中で野菜の角と角がゴツゴツとぶつかり合ってしまいます。
すると、その尖った角の部分からポロポロと欠けてしまい、野菜の形が崩れてしまう「煮崩れ」が起きてしまうのです。
角が取れて丸くなっていれば、ぶつかっても衝撃が少なく、コロコロと滑るように交わしてくれるので、きれいな形をキープしたまま煮上がります。
また、角から崩れた細かな野菜の欠片が煮汁に混ざると、お汁全体が濁ってしまい、見た目が少し残念になってしまうことも。
お鍋の中での衝突トラブルを未然に防ぎ、スッキリとしたきれいな煮物を作るためのガードマンのような役割を果たしているのですね。
面取りで見た目を美しく!
面取りは味を染み込ませるだけでなく、「お料理の見た目をきれいに」と言う目的もあります。
角が削られて丸みを帯びた野菜は、コロンとしていて見た目がとても美しく仕上がります。
まるで日本料理のお店で出てくるような、丁寧で上品な雰囲気をおうちのごはんでも演出できるのが大きな魅力です。
おもてなしの時や、ちょっと特別な日の食卓には、このひと手間が料理全体の印象をグッと良くしてくれます。
「美味しそう!」と思ってもらえるような、きれいな仕上がりを目指すためのちょっとしたおめかしのようなものだとイメージしてみてください。
面取りをした方がいい野菜の特徴

「じゃあどの野菜も面取りをした方が良いよね?」
と思ったあなた!すべての野菜に必要な訳では無い理由を説明します。
じっくり時間をかけて煮込む野菜は面取りがおすすめ
面取りはすべての野菜に必要なわけではありません。
面取りのメリットを最大限に活かせるのは、「じっくりと時間をかけて煮込む野菜」です。
代表的なのは、おでんに入れる分厚い大根や、筑前煮に入っているにんじん、里芋などです。
これらの野菜は、味がしっかりと染み込むまでに長い時間お鍋の中で火にかけられます。
お鍋の中でグツグツと揺られている時間が長いということは、それだけ野菜同士がぶつかり合う回数も増えるということ。
長い旅を乗り越えるためには、角をなくして丸くしておくことで、最後まで美しい形を保つことができます。
「今日の煮物はコトコト長めに煮るぞ」というメニューの時は、ほんの少しだけ時間を割いて角を落としておくと、フタを開けた時の感動が違ってきますよ。
大きく切ってゴロゴロ感を楽しみたい野菜
もう一つ、面取りをしておきたいのが「大きく切った野菜」です。
例えば、カレーや肉じゃがに入れる大きめのじゃがいも、煮付けにするかぼちゃなどがこれに当たります。
お野菜を大きく切るのは、「ホクホクとした食感を楽しみたい」「野菜の存在感をしっかり味わいたい」という理由からですよね。
せっかく大きく切ったのに、煮ている間に角からボロボロと崩れてしまい、お皿に盛り付ける頃にはひと回り小さくなって丸っこい謎の塊になってしまった……なんて経験はありませんか?
ゴロゴロとした贅沢なボリューム感をそのまま食卓に届けるためには、あらかじめ角を削ってガードを固めておくのがおすすめです。
大きな野菜ほど角が目立ちやすく、ぶつかった時の衝撃も大きくなるため、最初のひと手間で美しいゴロゴロ感を守り抜くことができます。
実は面取りが不要な野菜とその理由

一方、面取りが不要な野菜とその理由はこちら。
サッと短時間で火を通す野菜はそのままお鍋へ
ここからは、「思い切って面取りをやらなくていい場面」についてお話しします。
料理のハードルを下げるために、一番知っておきたいポイントかもしれません。
まず、お味噌汁の具にする大根やにんじん、さっと煮るだけのスナップエンドウ、薄切りの玉ねぎなどは、面取りをする必要はまったくありません。
その理由はとてもシンプルで、「お鍋の中でぶつかり合う時間が短いから」です。
サッと火を通すだけなら、野菜同士が激しくぶつかり合って崩れる前に料理が完成してしまいます。
短い時間であれば角が尖っていてもダメージを受けることはほとんどないので、切ったらそのままお鍋にポンと入れてしまって大丈夫です。
毎日の忙しい時間帯に作る汁物や軽い煮物なら、面倒な作業はすべてスキップして、少しでも早く食卓に並べることを優先しましょう。
小さく切った野菜や炒め物にする場合は省略OK
また、小さく細かく切った野菜や、そもそも煮込まないお料理の場合も、面取りのステップは完全に忘れてしまってOKです。
例えば、ひき肉と一緒に煮込むような小さな角切りの野菜や、千切り、みじん切りなどの場合は、一つ一つが小さすぎて角同士がぶつかっても大きな影響はありません。
さらに、炒め物や焼き物のように、お汁の中でグツグツと踊らない調理法であれば、野菜が崩れる心配自体がありません。
フライパンの上でジュージューと焼いたり炒めたりするだけなら、野菜は自分から崩れていくことはないので、そのままの形で十分に美味しく出来上がります。
「これは長く煮るのかな?」「汁の中で泳ぐのかな?」とお鍋の中の様子を想像してみて、該当しないようであれば自信を持って面取りを省略してくださいね。
料理初心者でも簡単!面取りをラクにする時短テクニック

面取りめんどくさいな~と思っている方に、楽に面取りする方法を解説します。
ピーラーを使ってサクサク削るカンタンな方法
「面取りが必要な場面はわかったけれど、やっぱり包丁でチマチマ削るのは面倒だし、手も切りそうで怖い」と感じる方も多いと思います。
そこでおすすめしたいのが、包丁ではなく「ピーラー(皮むき器)」を使ったカンタン面取り術です。
100円ショップなどでも手に入るごく普通のT字ピーラーを用意します。
野菜を輪切りなどにしたら、その角の部分にピーラーの刃を当てて、スーッと優しくなぞるように削ってみてください。
包丁を使うよりも力が要らず、驚くほどスルスルと均等に角を落とすことができます。
これなら、お料理に慣れていない方でも怪我の心配が少なく、サクサクとリズミカルに作業を進めることができます。
まるで工作をしているような感覚で楽しめるので、面倒だった面取りがちょっとした楽しいステップに変わるかもしれません。
完璧を目指さず「だいたい」で終わらせるポイント
最後に一番大切なテクニックをお伝えします。
それは「完璧を目指さないこと」です。
レシピ本にはきれいに丸く削られた野菜の写真が載っていますが、おうちのごはんではあんな風に全方位を美しく削る必要はありません。
「一番目立つ大きな角だけを落としておく」「表と裏の2ヶ所だけサッと削る」といった感じで、本当に「だいたい」で大丈夫です。
ほんの少し角が取れているだけでも、ぶつかり合いを和らげる効果は十分に発揮されます。
きれいに丸くしようと頑張りすぎて、野菜がどんどん小さくなってしまっては本末転倒です。
「ちょっとだけ角を丸くしてあげよう」くらいの気楽な気持ちで、肩の力を抜いて取り組んでみてください。
無理なく続けられる自分なりのペースを見つけることが、毎日のごはん作りを楽しくする一番の秘訣です。
まとめ

今回は、料理の「面取り」が必要な理由と、やらなくてもいい場面についてやさしく解説しました。
面取りは、見た目をきれいにし、お鍋の中での野菜の「ぶつかり合い」を防いで煮崩れをストップするための大切なひと手間です。
しかし、すべての野菜に必ずやらなければならない絶対のルールではありません。
おでんやカレーなど「大きく切って長く煮る野菜」には面取りをしてあげて、お味噌汁や炒め物など「小さく切る・すぐに火が通るお料理」の時は思い切って省略してしまいましょう。
また、包丁が苦手な方はピーラーを使ってサクサクとラクに削る方法を試してみてくださいね。
全部の角を完璧に丸くしなくても、「だいたい」で十分効果があります。
「やらなきゃ!」というプレッシャーを手放して、必要な時だけ賢く取り入れる。
そんなふうに面取りと上手にお付き合いして、毎日のごはん作りをもっと気楽に、そして楽しくしていきましょう!

